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2019.01.16

矯正「認定医」とは Part.1

【日本矯正歯科学会 認定医】とは?

矯正認定医とは、歯科矯正の学会が認定している資格で、これを持っている歯科医師は、矯正治療に関して適切かつ充分な学識と経験を有するものとして、学会から認定されています。

そして歯科矯正の学会もいくつかあり、その中でも各学会の認定医が存在しています。


まず日本にある認定医制度(2019年1月現在)がある歯科矯正の学会は大きく分けて以下の4学会があります。

① 日本矯正歯科学会

② 日本成人矯正歯科学会

③ 日本舌側矯正歯科学会

④ 日本矯正歯科協会

これらの学会には認定医資格があり、その学会により認定条件や審査の基準が異なっています。まず今回は日本矯正歯科学会の認定医制度について説明していきたいと思います。

【日本矯正歯科学会】

歯科矯正学・矯正歯科臨床の進歩・発展を目的にし1926年に設立された対外的にも日本を代表とする学会と言われています。

日本各地の矯正歯科医を中心に、7,000名程の会員により構成されております。

上記に挙げた学会の中でも大きい学会の一つです。

大部分を構成している学会員は全国の29歯科大学の矯正歯科講座あるいは医局で何らかの専門教育と研修を受けた歯科医師です。

大学を辞めて開業医や、勤務医になった歯科医師も含まれます。

毎年1回開催される学会は矯正医の先生の毎年の一大イベントとされているくらい大きな大会となっております。


この学会で矯正の認定医の数は約2500名。これは歯科医師全体の中でみると約2.5%と取得している歯科医師はわずかです。大きな学会なのにも関わらず、全歯科医師人口の中で認定医を取得している割合が非常に少ないのは、認定医を取るまでの条件がしっかり定められており、それをクリアしないと取得できないようになっているためです。

実際にこの認定医を取得するための条件を挙げていきます。

第5 条 認定医の申請は、次の各号を満たす者に限られる。
(1) 歯科医師免許を有する者。
(2) 歯科医師免許取得後、引き続き5 年以上の学会会員である者。
(3) 学会指定研修機関における矯正歯科基本研修(以下「基本研修」という)修了の後、その期間を含めて、5年以 上にわたり、矯正歯科臨床研修(以下「臨床研修」という)を修了した者。または、同等の学識、技術、経験を有 すると判断される者。
(4) 学会の認めた刊行物に矯正歯科臨床に関連する論文を発表した者。
(5) 学会倫理規程を遵守する者。
(日本矯正歯科学会 認定医制度規則第5条より引用)


分かりづらいところだけ説明しますと、

(2)学会に入会してから5年以上経過している人です。学会に入会するのにも推薦状が必要となっています。

(3)は学会が指定した矯正専門の研修機関常勤で5年以上の修行をした人です。この矯正の研修機関では一般治療はしておらず矯正のみを専門に行います。

(4)矯正に関係する学術論文を自分が筆頭となり仕上げることが必要です。これも論文の元となる研究も自分で行う必要があります。大学院に行って論文を作製する人もいます。

いずれにせよ日々矯正の患者さんの治療をしつつ、研究をして5年の間に論文を仕上げて学会の査読をクリアする必要がありますので、研修期間中身は、とても忙しいものになります。

これらの条件を満たしたうえで初めてようやく矯正の認定医試験を受けることができるようになります。

認定医の試験は上下マルチブラケット装置(ワイヤーを使った装置)で治療した10症例(1症例は必ず上下抜歯症例であること)の治療結果から審査および口頭試問を受けます。

特に自己選択症例の2症例は治療前後の石膏模型を用いて評価しますので、ちゃんと治っているかどうかは審査員の先生方に細かいところまで見られるため、仕上がっていない症例に関しては大きく減点されてしまいます。

これらを総合的に評価し、合格点に達していれば、晴れて認定医になることができます。


日本矯正歯科学会の矯正認定医のなる道のりは、時間と労力が必要になるため、全歯科医師人口の2.5%しかいないのも頷けますね。