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2019.02.13

矯正「認定医」とは Part.2

前回のブログでは日本矯正歯科学会の認定医の詳細について説明しました。

今回は日本成人矯正歯科学会の認定医制度について説明していきます。

【日本成人矯正歯科学会】とは?

日本成人矯正歯科学会は、成長発育期以後の成人を対象とした矯正歯科医療に関する進歩・発展と学術の向上をめざし、1993年に発足しました。

成人における矯正歯科治療は、矯正歯科学に加え、学際的・包括的な医学知識ならびに医療技術が必要となるために作られた学会で、2005年に特定非営利活動法人となっています。

会員数は1200名(2009年時点)です。認定医の数は、平成22年10月現在、251名の方に認定医資格証が交付されました。

では、日本成人矯正歯科学会の認定医を受けるための条件とはどのようなものか見ていきたいと思います。

第4 条認定医の資格を申請しようとする者は、次の1~3項、あるいは1、2、4項の要件をすべて満たさなければならない。

  1. 日本の歯科医師免許を有すること。
  2. 本学会に5年以上継続して在籍していること。但し、本学会入会以前に他の矯正歯科関連学会に在籍していた場合は認定委員会の議により同様に換算加算する場合がある。
  3. 本学会認定医研修プログラムを終了しているかあるいは、本学会の認める矯正歯科専門医療機関(大学歯学部附属病院矯正歯科、その他)に2年以上在籍して矯正歯科基礎研修を修了し、本学会の実施する認定医申請資格試験に合格していること。但し、本学会の認定研修施設に5年以上在籍し認定研修プログラムを終了していると認定研修施設の責任者が認めた場合、あるいは本学会の認める矯正歯科専門医療機関(大学歯学部附属病院矯正歯科、その他)に5年以上在籍して認定研修プログラムを終了していると認められた者は、この試験を免除する。
  4. 本学会の認定研修施設あるいは本学会の認める矯正歯科専門医療機関に5年以上在籍していると同等の矯正臨床経験を有すると認められる者は、本学会の認定研修プログラムを修了し、本学会の実施する認定医申請資格試験に合格していること。

日本成人矯正歯科学会認定医制度規則から引用)

太字になっているところの5年は、日本矯正歯科学会の認定医とほほぼ同様です。

学会員として5年間在籍し、矯正専門歯科医院で常勤で5年というのが1つの目安かもしれません。

日本矯正歯科学会認定医と日本成人矯正歯科学会の両方の認定医をお持ちの先生もいらっしゃり、その目安も似通っているのかもしれません。

これらの条件を満たしてようやく認定医の試験を受けることができます。

では認定医試験の内容を見ていきましょう。

第3章 認定医の資格条件

第5 条認定医の資格を得ようとする者は以下の条件に従い、本学会への症例提出、発表、投稿掲載が求められ、認定委員会が必要と認めた場合面接審査を行うものとする(必要提出症例数の8割以上は、マルチブラケットシステムによる治療例とする)。

  1. 本学会の認定研修施設あるいは本学会の認める矯正歯科専門医療機関に常勤在籍5年以上の者は、自身の治験6症例(成人症例4症例以上を含む)を提出し、内1症例以上本学会に発表または展示し、本学会誌に症例報告として掲載していること。
  2. 本学会の認定研修施設あるいは矯正歯科専門医療機関に常勤在籍5年未満であるものは自身の治験15症例(成人症例8症例以上を含む)のリストを提出し、内6症例の審査を受けるものとする。15症例の内1症例以上本学会に発表または展示し、本学会誌に症例報告として掲載していること。
  3. なお、本学会で学術発表または学術展示を行った場合、あるいは本学会誌に症例報告以外の学術論文を掲載した場合には症例提出数として考慮することがある。但し、この措置は1症例分に限り行うものとする。  

(日本成人矯正歯科学会認定医制度規則から引用)

日本矯正歯科学会との違いは、提出症例の数と5年を境に提出する症例数が変わってくることです。

5年未満の人は、15症例のうち6症例の審査が必要になりますが、5年経過していると提出6症例のうち1症例の審査になりますので、早く認定医がほしい人こそ頑張らないといけない仕組みになっています。

また、症例自体が成人の症例(18歳以上)のみに限定されているため、小児、小学生、中学生、高校1、2年生の患者さんが症例の対象にならないのは、少し症例が限定されています。